●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.98 ●▲■
    発行日:2007年 4月20日(金)
  ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

------------------< 目 次 >------------------

●▲■「ダブリン・ビール事情 - 07/03アイルランド訪問レポート」

                       (text:渡邊拓也)

ご紹介情報●1▲<アーカイブ資料>「ダブリン・ビール事情」
ご紹介情報●2▲<e-アカデミー>「Widgetに関する技術資料ed.02」

ご紹介アイテム●1▲液体窒素滴下対応ビール・炭酸飲料缶詰機 BRX
ご紹介アイテム●2▲BSL 炭酸・窒素ガスブレンダー

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「St James's Gate, Dublin 8, Ireland」。
この極めて簡素なアドレスの先には、
世界中にその個性的なビールのファンを持つ
かのギネスの醸造所があります。

アイルランドの首都ダブリンの中心部から徒歩で20分程度、
広大な敷地内には、歴史あるSt. James's Gateブルワリーのほか、
事務所ビル、観光施設、パイロットプラント等が並んでいます。

ギネスビールを製造・販売しているのは
世界のアルコール飲料業界の有力プレーヤーの一つDIAGEO社。
きた産業/ルーツ機械研究所では同社からパイロットプラント向けに
特殊な仕様の小型缶充填機を受注、
その納入立会いのために、3月初旬にかの地を訪れました。

そこで、今回はダブリンのビール事情をリポートします。

  ●■EUの成長株 アイルランド●■
アイルランドといえば、
どうしてもIRAによる武装闘争を思い浮かべてしまいますが、
近年では社会情勢も安定、英語がそのまま通じることもあって、
IT、通信、医薬品等の世界的企業が欧州拠点として進出、
EU屈指の経済成長率を誇ります。

元々文学や演劇等で著名人が多く輩出してきた国ですが、
近年ではU2やエンヤに代表される音楽分野や、
様々な演出で公演されるアイリッシュダンスは世界的に有名。
サッカーやラグビーの世界でもおなじみですね。

人口約400万人のうち100万人以上がダブリン周辺に集中、
民族、宗教、社会階層等の様々な対立を経験してきた歴史と、
最先端の技術や文化が融合したこの都市は、
ヨーロッパでいま最も活気ある街ともいわれているとか。

リフィー川を挟むようにして広がる街並みは美しく、
大都市というほどでもないサイズからか
なんとなく親しみやすく、温かみを感じさせる街です。

とはいえ首都は首都、地下鉄がないこともあって
朝夕のラッシュ時の道路は大渋滞ですし、
世界中からやってくる観光客も加わって
週末ともなると中心部は人であふれかえります。
まあ、いずこも同じではありますが。

  ●■ダブリンは夜輝く●■
そんなダブリンの街ですが、パリやミラノと比べると
昼間はなんとなく地味な印象なのは否めません。
クレープのスタンドや、カフェの類が少ないからか。

ところが日が暮れだすと雰囲気が一変、
陽気で人懐っこいダブリンっ子がパブに集い、
街中が俄かに活気付きます。

アイルランドといえば国民一人当たりのビール消費量が
チェコに次いで世界第二位(ビール酒造組合ホームページより)
街中で見かけるパブとその混雑ぶりを見ると、なるほどと納得。

例えば、レストランで食事をする前にパブで待ち合わせ、
(なぜかレストランでビールを飲む人は少数派ですが、)
食事が終われば次のパブに移動、
帰る前に締めのもう一軒、
という具合に、食前、食後を問わず人々はパブでビールを飲み、
大いにおしゃべりに興じています。

その楽しげな雰囲気が、パブに面した通りにこぼれ出ていて、
通りがかっただけでなんとなくわくわくし、
ついもう1杯飲んでしまう、そんな魅力に満ちています。

  ●■ギネスは2分待つべし●■
さて、パブでの基本はもちろん樽生ビール。
ギネスのほかに、スタウトではマーフィーズやビーミッシュ、
マイルドなエールに、おなじみのラーガー、
さらにはサイダー(シードル)などがタップに並んでいます。

基本的にはパイント(568ml)単位で注文しますが、
その半分のハーフパイントのサイズもあります。
ただし、普通の男性がこれを頼むと
白い目で見られるかもしれませんのでご注意。

パイントで4ユーロ強、今の為替レートだと700円弱。
日本のアイリッシュパブで飲むよりは安価とはいえ、
決して安い飲み物ではありません。
(ちなみにダブリンの物価は総じて高い印象。
特に日本人には円安・ユーロ高が響きます・・・)

ともかく、カウンターの中にいるバーマンにギネスを頼むと、
おもむろにタップからパイントグラスにギネスを注ぎ、
4分の3ほど入れたところで一旦止めて、グラスを置く。
コーヒー牛乳のような色の液体が
徐々に黒と白に分かれていくのを客はただ見守るのみ。
やがて泡が落ち着いたところへ優しく注ぎ足し。
ようやく2色のコントラストが美しいパブギネスの完成です。

注ぎだしてからおよそ2分。
この永遠とも思える時間を経てサーブされたギネスの泡は
本当にクリーミーで、飲み終わるまで消えることはありません。
フレッシュなギネスは見た目によらず非常にスムーズな飲み口で、
確かにいくらでも飲める気がします。

  ●■週1〜2回、大いに飲む●■
こう書いてくるとアイルランド人は毎日浴びるほど
ビールを飲んでいるかのように思われるかもしれませんが、
最近目にした統計によると実態は少々異なるようです。

欧州委員会はEU加盟国における世論調査を多岐にわたって行い、
ユーロバロメーターと呼ばれる報告書を公表しています。
その中で、アルコール飲料の摂取習慣や考え方に関する
アンケートをまとめたものがつい最近出されました。
http://ec.europa.eu/public_opinion/archives/ebs/ebs_272b_en.pdf

それによると、過去1ヶ月間にアルコール飲料を摂取した頻度として、
週1回の人の割合がEU中最も多いのがアイルランドで41%、
週2〜3回という人と合わせると70%という結果。
逆に毎日という人はわずかに2%でした。
ちなみに毎日率が高いのはポルトガル、イタリア、スペインの順。

一方、「過去1年間に、一度の飲酒機会で5杯以上飲んだ頻度は」
という設問に対しては、
アイルランドは週1回と答えた人の比率でダントツのトップ(37%)、
週2回以上の人と合わせると実に54%の人が当てはまります。

飲んだ対象がアルコール飲料全般ですので、
必ずしもビールの一般的な飲まれ方とはいえないかもしれませんが、
週に1〜2回だけど、飲むときは大いに飲むという、
アイルランド人の飲酒スタイルが見えてきます。

実際、今回接したギネスのスタッフたちに
毎日ギネスを飲んでいるかと聞いてみても、答えはノー。
この統計に近い回答が多かった気がします。

  ●■パブで飲むということ●■
そんなアイルランド人の飲酒傾向を考えると、
彼らにとって、
「パブで、ビールを飲みながら、しゃべる」
というのはセットであって、
ひとまとまりで社会生活の一部を構成しているかのよう。

そこにはあまり食べ物は介在しないし、
また店を変えても同じセットが繰り返されるばかり。
飲むという行動が他の場所ではあまり成立していないのではないか、
とさえ思えてきます。

飲むことだけが目的ではないから、
少々多めに飲んでもどこか健康的で、また開放的。
独特のパブ文化には大いに魅力を感じます。

ダブリンのパブは老若男女を問わずに集うオープンな場所。
そこで経験したギネスの味は、楽しい会話と一緒になって
極上の記憶となりました。

                  (text=渡邊拓也)

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なお、仕事の方ですが、厳しい性能テストも無事クリア、
機械の引渡しが完了しました。
わずかながらも空き時間にはダブリンの観光名所にもなっている
ギネスストアハウスを見学したほか、
先方のご厚意で一般公開していない本物の醸造所内も
案内していただきました。
その模様も含めて次のレポートをご覧下さい。

●▲■ ご紹介情報その1:アーカイブ資料 ●▲■
「ダブリン・ビール事情 
        - 07/03アイルランド訪問レポート」
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/DublinReport.pdf

一方、ダブリンではパブで飲むのが本流とはいえ、
パブで飲むビールの味わいを家庭でも楽しめるように
ウィジット入り缶ビールも多く開発されていて、
コンビニ等でも普通に買うことができます。

このウィジット入りビール、
日本でも以前から売られていますが、今後ブレイクする予感!?
興味のある方は次の資料をご参照下さい。

●▲■ ご紹介情報その2:e-アカデミー ●▲■
「Widgetに関する技術資料 ed.02」
http://www.kitasangyo.com/e-Academy/Gas/Widget_info.pdf

続いて、今回は当社の缶詰機とガスブレンダーのご紹介です。

●▲■ ご紹介アイテムその1:ルーツディビジョン ●▲■
液体窒素滴下対応 ビール・炭酸飲料缶詰機 BRX
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/machine/BRX_jpn.pdf

ルーツ機械研究所のBRXは液体窒素滴下装置を搭載可能な
小型モノブロック缶充填巻締め機。ビールのほか、炭酸飲料全般用として、
研究所やパイロットプラントでの使用に最適です。

●▲■ ご紹介アイテムその2:ルーツディビジョン ●▲■
BSL Gas Technologies / McDantim 炭酸・窒素ガスブレンダー
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/gas/Gas_Blender.html

ロンドンやダブリンのパブではこのガスブレンダーが大活躍。
窒素ガス入りビール用としてだけではなく、
普通のビールのサーブや醸造所内でもご使用いただけます。
ビール以外でもぜひお試し下さい。

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