●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.69 ●▲■
    発行日:2005年 11月11日(金)
 ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:喜多産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

------------------< 目 次 >------------------

●▲■ 清酒ディベート「純米かアルコール添加か」
●▲■ 「燗酒」では「アル添200リットルまで」が上位比率54%

●▲■ ワインディベート「ボルドーかブルゴーニュか」
●▲■ ABC? いやBBB?
(Text:喜多常夫)

ご紹介更新情報●1▲「日本の全ワイナリーと、自社管理の栽培葡萄」ed.6
ご紹介アイテム●2▲量り売りシーン(ワインの事例:なんばパークス)


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●▲■ 清酒ディベート

「純米酒こそ本来の姿、酒は純米に回帰すべし」という主張がある。
「完全純米蔵」に転換されている酒造家もあり、人気も高い。

一方で、最近次のような話を耳にする。

「アルコールで清酒のよさを引き出せるのをもっとアピールすべき」
「毎日飲んで飲み飽きないのは味・香りの整ったアルコール入りだ」

私は灘酒の地元、兵庫県西宮市に住んでいるので、
灘の酒造家の皆さんとお話しする機会が多いが、そんな話を聞くことが多い。
この秋、とみにアルコール派のトーンが上がってきたように感じる。


「純米かアル添か」に関しては、某大手の醸造技術者が、
自社の山田錦のお酒に関して次のように言われたのを思い出す。
「当社の「山田錦・本醸造」は自信作、完成域に達していると思う。
一方「山田錦・純米」の方は、自分の中ではまだ完璧と言い切れない」

言葉を変えれば、アル添でこそ納得のいく酒質ができる、ということだろう。


本醸造基準の120リットル以下だけの話ではなく、
「吟醸でもある程度のアル添がよい」とよく言われるのは、
醸造家の皆さんはご存知のとおりだし、
また「200リットルくらいに良いバランス点がある」という主張も聞く。


上原浩さん(「純米酒を極める」などの著作のある、純米推進派)
が聞いたら、猛烈な反論がありそうだが。

●▲■「アル添200リットルまで」が上位比率54%

先日、日本醸友会大阪支部の講演会を聞かせていただいた。
大阪国税局の方が、大阪局の鑑評会の出品区分を、
従来「特定名称酒とそれ以外」だったものから
平成17年から「吟醸、燗酒、生もと系、貯蔵酒、低アル、その他」に
変えたと発表されていた。


「燗酒」のカテゴリーについて評価の上位酒を
アルコール添加量で分析していたものが興味深いので引用する。

純米=アル添0リットル:出品数35、うち上位酒8、上位酒比率8/35=23%
アル添120リットルまで:出品数39、うち上位酒20、上位酒比率20/39=51%
アル添200リットルまで:出品数13、うち上位酒7、上位酒比率7/13=54%
アル添250リットルまで:出品数7、うち上位酒3、上位酒比率3/7=43%
アル添300リットルまで:出品数8、うち上位酒3、上位酒比率3/8=38%
(配布資料のグラフから読み取った数字なので若干誤差があるかもしれない)


これを「アル添派」の立場で分析すれば、
「多くの蔵はアル添を選択して鑑評会に挑戦しており、
結果もアル添の上位酒比率が圧倒的に多い」という事になるだろう。

逆に「純米派」の立場で言えば、
「純米でお燗に向く酒を造るのは技術的に難しいかもしれないが、
本来あるべき純米を選んで挑戦する蔵は多い」となるだろう。


「純米かアルコール添加か」の清酒ディベート(舌戦)は難しい。

(ただ、「アル添」とか「普通酒」という言葉の印象が悪いのは事実。
アルコール添加推進派は、なにかいい呼び方が必要でしょう。)

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●▲■ ワインディベート

ワインメーカー(醸造技術者)の間では、ひそかに
「ボルドー派かブルゴーニュ派か」のディベートがある。


目指す方向がボルドーかブルゴーニュか、という議論。
好きなワインがボルドーかブルゴーニュか、という議論でもある。

飲んで感動したワイン、遍歴の末行き着いたところ、勉強した地域、、、
などいろいろだろうが、人によって結構明確に分かれる。

(実際は、カリフォルニアやオーストラリアなどのニューワールド派、
ガイゼンハイム・ドイツ派などもあるが。)


私は、個人的にはボルドー派なのですが、
ブルゴーニュ派の人と話すと
「まだ若いなあ、勉強がたりん」などとお叱りをいただいたりする。

ブルゴーニュ派に言わせれば、
「シャルドネの至福、奇跡のピノノアールを見よ」

一方のボルドー派は、
「アッサンブラージュ(ブレンドのこと)とボルドーの赤色こそワインの究極」

そうすればブルゴーニュ派は、
「ボルドーのカベルネソービニオンやメルロの重さが肌に合わない、
大体、シャトーなどというブルジョア経営が気に食わないぞ!」

売り言葉に買い言葉のボルドー派は、
「ワインを技術的、文化的にここまで高めたのはボルドーであるぞよ、
だいたいボジョレーヌーボーのお祭り騒ぎはなんだね?」


、、、とまあ、ここまでストレートに言う人はいないのだが、
心の中ではそんな風に思っている感じ。(筆者の偏見かもしれないが)

●▲■ ABC? いやBBB?

「今日はABCでいきたい」
これは「Anything But Chardonnay、シャルドネ以外の白ならなんでも」という
意味。


「いまBBB、ほかが飲みたい」
こちらは「Bordeaux-Blend Blues、赤のブレンデッドワインに
カベルネソービニオンが入りすぎ、食傷で気持ちもブルー」という意味。


外国雑誌の読みかじりだが、そんな表現があるらしい。
白ならシャルドネ、赤ならカベルネ、というワンパターンを脱して、
ほかを飲みたいという人が増えているという記事だった。


日本だと、そんな向きには、
いま急速に注目度の上がっている「甲州」がぴったりだろう。
いや、日本のワイン文化のためにも
外国に向けてももっと甲州を発信してほしいものである。


かように「ボルドーでもブルゴーニュでもないワイン」
を目指す生産者、消費者がある中で、
それでもやはりボルドーとブルゴーニュはワインの原点。
「ボルドーかブルゴーニュか」は続くのである。


「ボルドーかブルゴーニュか」のワインディベートは難しい。
(とはいえ、私はボルドーの肩を持つのだが。。。)

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さて当社の情報紹介と商品紹介です。

●▲■ ご紹介更新情報 その1 ●▲■
「日本の全ワイナリーと、自社管理で栽培している葡萄」ed.6
http://www.kitasangyo.com/Wine/Winery-List.html


久しぶりに情報を更新しました。
今年醸造開始した7社、閉鎖した2社を反映させています。


市町村合併で全国的にずいぶん住所表示が変わりました。
特にワインのメッカ、山梨県は甲州市、甲斐市、笛吹市、北杜市など
ドンドンできてしまってほとんどが変更。


酒類製造免許の取得はワインが一番多いのではないでしょうか。
21世紀(2001年以降)に醸造を開始したワイナリーを拾って見ても、、、

 五枚橋ワイナリー(岩手県盛岡市)
 天橋立ワイン(京都府宮津市)
 三和酒類・安心院葡萄酒工房(大分県宇佐市)
 明和醸造(山梨県笛吹市)
 ぶどうの郷山辺ワイナリー(長野県松本市)
 ナチュラルファーム・グレープアンドワイン(大阪府柏原市)
 ヴィラデスト(長野県東御市)
 山崎ワイナリー(北海道三笠市)
 ノースカントリー(北海道富良野市)
 能登ワイナリー(石川県鳳珠郡)
 糸満ワイナリー(沖縄県糸満市)
 たかやしろファーム(長野県中野市)
 Kidoワイナリー(長野県塩尻市)
 船穂町ワイナリー(岡山県倉敷市)
 中央葡萄酒・ミサワワイナリー(山梨県北杜市)
 シーティーアイ・三笠ワイン工房(北海道三笠市)
 紫波フルーツパーク(岩手県紫波郡)
 追浜ワイナリー(神奈川県横須賀市)
 播州葡萄園(兵庫県加古郡)
 セラアグリパーク(広島県世羅郡)
 五ヶ瀬ワイナリー(宮崎県西臼杵郡)

、、、と、北海道から沖縄までこんなにある。


二つ目のボタンをクリックすると「分析シート」が出てきます。

自社栽培・契約栽培のブドウに関して、多い品種を掲載していますが、
欧州系品種ではカベルネソービニオン、メルロ、シャルドネ、
国産品種では甲州、ベリーA、の5種類が突出しているのがわかります。


リストのed1を作ったのが2003年でしたが、このed6と比べてみると、
わずかですがプティベルドが少し増え、ピノノアールが少し減っている。

プティベルドはボルドーでわずかにアッサンブラージュされる品種、
ピノノアールはブルゴーニュの品種だが、
減っているのはたぶん日本で育てるのが難しいからでしょう。


こんなところにも
「ボルドーかブルゴーニュか」のワインディベートを見る思いです。


(リストは完全なものではありませんし誤謬もあると思います。
よろしければ自社情報やお気づきの点を是非お知らせください。
mailto:wine@kitasangyo.com )

●▲■ ご紹介アイテムその2:K2ディビジョン ●▲■
最近の量り売りシーン(ワインの事例)
http://www.kitasangyo.com/Pubgoods/Wine-hakariuri.htm

当社で量り売り機材を納入させていただいた写真です。
大阪のミナミの人気スポット「なんばパークス」の5階のお店。
関西地区の方、ぜひ一度いってみてください。

http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/hakariuri-japan.htm
も、当社で納入させていただいた事例です。

量り売りや試飲システムのことなら引き合いください。


               (text:喜多常夫)
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2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
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