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●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.24 ●▲■
    発行日:2003 年4月28日(月) 
 ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:喜多産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

------------------< 目 次 >------------------
●▲■イントロ:お酒の近作書評、4連発 
              ●▲前編●▲
1ビール     2焼酎&泡盛   3ワイン   4清酒
*とりあえずビール *本格焼酎を愉しむ *日本のワイン *燗酒ルネッサンス
* 中谷和夫著   * 田崎真也著   * 山本博著  * 玉村豊男編

*長文なので今回は「とりあえずビール 」「本格焼酎を愉しむ」を掲載、
*次号に後編として「日本のワイン」「燗酒ルネッサンス」を掲載、
*と分割します。 (次号(メルマガvol.25)はあさって発行予定!)

ご紹介アイテム●1▲ 新型「Slim500びん」、焼酎・ワインに。
ご紹介アイテム●2▲ 地ビール用の汎用デザイン「脱酸素王冠」

●▲■エピローグ:(書評番外編)クンツェの日本語訳

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今回は、最近読んで興味深かったお酒関係書籍の書評です。
「アルコール飲料産業のクロスオーバー情報」を標榜するメルマガ故、
ビール、焼酎&泡盛、ワイン、清酒、と4連発でまいります。


1)「とりあえずビール、やっぱりビール」 中谷和夫著
(日本文芸社 2003年4月20日発行、705円)

中谷さんは現在、上海サントリーの社長、その前は利根川ビール工場長。

平易な語り口だし、書名も素人っぽいものでありながら、
醸造関係者が読んで勉強させられる内容とエッセンス多し、の著作です。
発泡酒の開発、ホップなしでビールを試作した話題、ビールと痛風、
中国ビール事情、カロリー計算、泡蛋白、などなど切り口も豊富。

研究と実務の両面でビール造りに30年携わってこられた著者だけに、
内容に重みがあり、経験談も面白い。
地ビール関係者の方も一読されては、とお薦めします。

2000年にIGB(イギリス本部の醸造学会)がシンガポールであったとき、
井上喬さん(元キリン研究所長)が「(日本独自税制による)発泡酒」、
について発表されました。発表後に外国の研究者から、
「麦芽比率25%以下なのになぜ泡もちがいいのか?」
という質問がありました。

そのとき回答をふられた中谷さんが
「泡蛋白は確かに少ないが、泡に悪い塩基性アミノ酸をより少なく醗酵させる」
と答えた(もちろん英語で)エピソードが本書に出てきますが、
このとき私も後ろの席に座って聞いていましたので、よく覚えております。

海外のビール学会で中谷さんとは何度かお会いしましたが、
英語で技術的な質問・応答がきちんとできる「数少ない」日本人です。
そこで、書評とは関係ない放言を一言お許しいただければ、、、 
「大手ビールメーカーの皆さん、学会でちゃんと、
英語でやり取りできる人材を増やしてくださいね!!」

ついでにもうひとつ、書評とは関係ないこと。
サントリーさん関係の方とお話しすると、実に多くの人が、
「佐治さん(元社長、故人)はすばらしい経営者だった」といわれます。
本書にも発泡酒開発の項で佐治さんとのやり取りがでてきますが、
改めて、佐治さんてすごい人だったんですね、と関心。

中谷さんの中国は今、大変だろうなあ。
SARSは困るけど、せめてビールには順風にならないかなと祈ります、
ペストがはやった時代にビールが安全な飲み水だったみたいに。


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2)「本格焼酎を愉しむ」 田崎真也著
(光文社 2001年10月発行、680円)

ソムリエ世界一の田崎さんは、最近焼酎にハマっていて、
なんと「僕が日常的に一番良く飲むお酒は焼酎です」とのこと。

沖縄サミットで参加首脳(シラク大統領や森総理など)の平均年齢の、
「56.6年の泡盛古酒(クース)」を出したエピソードや、
なぜソムリエの田崎さんが焼酎に傾倒していったか、など。

後半は鹿児島・宮崎・大分の焼酎、球磨焼酎、沖縄の泡盛だけでなく、
伊豆七島や奄美大島の焼酎、さらには、胡麻、人参、昆布、クマ笹、、、
など原料バリエーションの焼酎も、具体的にブランドをあげて解説。

「スパイシー」「バニラ」「石灰の香り」「ナッツの香り」などなど、
各焼酎の特徴をワインテースティング的表現で記述しているのが面白い。
こんな料理と組み合わせる、
という記述も興味深いし、焼酎&泡盛ファンに薦める一冊。

なお、風の便りでは、田崎さんは最近乙類だけでなく、
甲類も愛飲されている、とのこと。

うーん、私自身も20代、30代、40代と年経るにつけ嗜好も変わり、
それに健康状態もあって飲むお酒のスタイルや量が変わってきましたが、
世界最高のソムリエといえども、
そんな風にかわっていくものなのですね、、、。

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3)「日本のワイン」 山本博著
4)「燗酒ルネッサンス」 玉村豊男編
  ----->>>>>>次回メルマガ掲載(あさって発行予定)
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さて、今回のご紹介アイテム。

●▲■ ご紹介アイテムその1:K2ディビジョン ●▲■
新型「Slim500びん」、焼酎、ワイン、ブランデー、蒸留酒に。
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/slim500.html

全高が350mm以上、という背の高い500mlの壜。
現在金型準備中で、コルク口とPP30S口で6月ごろには吹製予定です。
輸入壜をご使用になっていた皆さん、
より品質・精度の高い新型「Slim500びん」をご検討ください。


●▲■ ご紹介アイテムその2:K2ディビジョン ●▲■
地ビール用の汎用デザイン「脱酸素王冠」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/closure/O2scavenger.html

王冠の裏のライナー(パッキン)部分に、
水分で活性化する脱酸素素材を使用したもの。
アメリカやヨーロッパでは多くの採用実績がありますが、
日本(国産)では初めて発売します。

1ケース6000個入りの汎用デザイン品を準備しています。
価格もリーズナブル。サンプルをご請求ください。


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書評番外編 5)「クンツェ」の日本語版(の出版の夢)

ビール業界では有名な、通称「クンツェ」という本があります。

ドイツ語オリジナル版のほか、
英語版、中国語版、ロシア語版など多くの国で出版され、
世界中のビール産業関係者が技術テキストとして利用する、
W.Kunze著の正式名「Technology Brewing and Malting」という本です。
まっ黄色の表紙で本棚に並んでいると「あ、勉強してるな」とすぐわかります。

大手ビールメーカーOBのY氏が日本語訳出権利を得て、
日本の出版社と交渉されて準備をされていましたが、
この経済状況もあり出版社側の事情で頓挫されています。
実は不肖私、喜多も一部の訳(壜・缶の充填設備のパート)を
受け持つよう言われて、準備していたのですが。

大手ビールメーカーではクンツェを読むエンジニアが多いようですが、
「原書で読みなさい」(英語版だと思いますが)という指導らしく、
日本語版の需要がどの程度かわからないとのこと。
専門書だけに、出版して1000冊売れるのかどうかで踏み切れない由。

ホントは日本語版があれば大手ビールメーカーの技術者にも便利だし、
地ビール関係者にも技術の底上げになって有益だと思います。

ドイツ型のビール醸造技術全般を包括的に記載しているし、
改定を重ね集大成なった感のある著作で、
日本語化する価値が十分ある書物だけに残念です。

諸外国で訳出されているのにビール技術大国の日本で日本語版がない、
というのもなんとなく情けないし、ぜひ訳出を出版したいものです。
どなたかいい知恵はないものでしょうか??!!
(text:喜多常夫)

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