●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.142 ●▲■
    発行日:2010年 7月12日(月)
  ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■

発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

 

 

------------------< 目 次 >------------------

 

   ●▲■ 「ガス入り酒類」の健闘 ●▲■
「ビール系」「チューハイ」「スパークリングワイン」の統計
「スパークリング・サケは1.5万石」「本格焼酎ハイボール?」

                (text = 喜多常夫)

 

ご紹介アイテム●1▲スパークリング、7つの設備事例
ご紹介アイテム●2▲焼酎・清酒におススメのガラスびん
ご紹介アイテム●3▲展示増強「お酒王冠・銅板ミュージアム」

 

 

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ウィスキー・ハイボールのブームはご存知の通り。

ブームの要は、ひょっとして「ウィスキー」より、
「ハイボール(炭酸ガス入り)」かもしれない、、、
というのは勝手な仮説ですが、
今回は「ガス入り酒類」について検討します。

 

偶々「炭酸ガス入りの酒類」について話す機会があって、
統計数字を調べました。

ほとんどが「収縮」する酒類業界で、
予想以上に「健闘」している、以下はその数字です。

 

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●▲■「ビール系」

 

まず、ガス入り酒類の代表格、「ビール系」飲料。

これは「健闘」ならぬ、その「収縮」ぶりが、
新聞や業界メディアでよく伝えられるところ。

ビール系3種の、過去5年間の出荷量を列記するとこうなります。

 

  
<B:ビール系>
2005年:ビール356+発泡176+第三101=633万kl
2006年:ビール349+発泡158+第三122=628万kl
2007年:ビール346+発泡154+第三127=627万kl
2008年:ビール323+発泡142+第三145=610万kl
2009年:ビール303+発泡120+第三175=598万kl

  (「ビール酒造組合」と「発泡酒の税制を考える会」による。
大手5社のみの数字で、地ビールや輸入は含まれない。)

 

かつて2000年ころには700万キロリットル超だったのが、
2009年暦年は600万キロリットルを割り込んだ。

 

 

●▲■「チューハイ系」

 

一方、日本洋酒酒造組合のホームページには、
「カクテル・チューハイ等」リキュール系の発泡酒と、
エキス分の少ない「スピリッツ系の発泡酒」の出荷統計がありますが、
これは急増。

 

  <C:チューハイ系>
2005年:チューハイ等67+スピリッツで発泡性0=67万kl
2006年:チューハイ等66+スピリッツで発泡性8=74万kl
2007年:チューハイ等86+スピリッツで発泡性10=96万kl
2008年:チューハイ等107+スピリッツで発泡性18=125万kl
2009年:チューハイ等139+スピリッツで発泡性22=161万kl

  (「日本洋酒酒造組合」:ビール4社、ニッカ、チョーヤ、養命酒
など大手のほか、中小も加盟。これも組合員のみの数字。)

 

2009年はなんと161万キロリットル。
いまや「ビールの半分以上」!
(ここでいうのは「ビール系」でなく「本当のビール」。ヤヤコシイ)

 

 

●▲■「低アル・ガス系総計」

 

<B:ビール系>+<C:チューハイ系>=<G:低アル・ガス系総計>

、、、と思ったら、どうも違うらしい。

日本洋酒酒造組合の<C:チューハイ系>の統計覧には
「カクテル・チューハイ等」としか書いていないけれど、
これには「第三のビールのうちリキュール区分」も含まれているらしい。

 

「発泡酒の税制を考える会」のホームページでは、
2010年1月から第三のビール(ビール業界用語では新ジャンル)の
統計を発表しています。
「その他の醸造酒」対「リキュール」の比率は、
「リキュール」が増加傾向で、2010年現在で4:6くらい。

だから各年度からその分を差し引いて、、、

 

と、まあ、
計算根拠はややこしいので略しますが、
低アル・ガス系の総量を試算してみると以下のごとし。

  <G:低アル・ガス系総計>
2005年:ビール系+チューハイなど=665万kl
2006年:ビール系+チューハイなど=655万kl
2007年:ビール系+チューハイなど=665万kl
2008年:ビール系+チューハイなど=660万kl
2009年:ビール系+チューハイなど=665万kl

 

素人の推計値で確度は高くないかもしれないですが、
ビール系、チューハイ系、カクテル系など、
店頭でずらりと並んで売られる<低アル・ガス系>のお酒は、
総量としてこの5年間ほとんど減っていない。

ほとんどの酒類が「収縮」するなかで、
「健闘」しているというべき、と考えます。

 

 

●▲■「輸入スパークリング・ワイン」

 

<低アル・ガス系>は、<低価格帯・ガス系>とも言えますが、
対極の<高価格帯・ガス系>はどうか?

 

フルボトルが千円台から数千円の(高価格の)、
輸入スパークリング・ワインはこんな具合。

  <S:輸入スパークリングワイン>
2005年:1.58万kl
2006年:1.98万kl
2007年:2.07万kl
2008年:2.30万kl
2009年:2.05万kl

 

高級品であるシャンパーニュのセグメントが、
リ―マンショックのダメージが大きくて2009年は落ち込んだけれど、
全体として伸びる傾向は明らか。

スパークリングを発売している日本のワイナリーも、
15社を超えましたが、概ね皆さん好調なようです。

 

 

●▲■「スパークリング・サケ」

 

このメルマガの読者は清酒関係者が多いと思うのですが、
「スパークリング・サケ」はどうか。

<低価格帯・ガス系>のビール系・チューハイ系、
<高価格帯・ガス系>のスパークリング・ワインに対して、
スパークリング・サケはいわば<中価格帯・ガス系>。

現在、40社程度が製品を出されていて、
300mlくらいの壜入りで、数百円の商品が多い。
(個人的にはもう少し高い価格帯を開発してほしいですが)

 

スパークリング・サケは統計がないけれど、
筆者は、この5年間穏やかな成長が続いていて、
2010年現在「1.5万±0.5万石(=0.27万±0.09万kl)」と推定します。
(スパークリング・サケ・リキュールも含む)

これは、
輸入スパークリングワインの10〜15%くらいにあたる量。
僅かといえば僅かですが、無視できない量です。

スパークリング・ワインと同じく、
スパークリング・サケも成長アイテムです。

 

そして、スパークリング・サケの約10%が
輸出されていると推定。

世界の日本食レストランで消費されていることも、
スパークリング・サケの将来性を感じます。

 

 

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以上は、「プレミックス」製品の統計や推定量。

ブームのウィスキー・ハイボールは、基本的には、
「ポスト・ミックス」なので(あとでソーダ水で割るので)、
今まで書いた統計数字に上乗せして、
「ガスものマーケット」を形成していることになります。

 

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お酒ではないのですが、

 「国内清涼飲料は全体として不振で、
ここ数年収縮が続いているが、
炭酸飲料は業界推定で年率4%近く伸びている」

のだそうです。(日経産業新聞、6月18日)

この新聞記事によれば、炭酸飲料のけん引役の一つは、
「ゼロ系」(カロリー・ゼロや糖類ゼロ)だそう。

そういえば、キリン・フリーなど、
0.00%ビールもいわば「ゼロ系」。伸びていますね。

 

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収縮する日本の酒類市場の中で、
ガス入り酒類は、
短期的現象でなく中期的にも伸びるマーケットだと考えます。

地球温暖化も要因として無関係ではありません。
(ガス入り製品は必ず冷やして飲む)

伸びるマーケットで新商品を開発するのが、
ビジネスの基本。

「ガスもの」は、
これから注目すべき商材だと思います。

 

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冒頭、「炭酸ガス入り酒類について話す機会があって」、
と書きましたが、
先週、熊本の本格酒類技術研究会でお話しさせていただく
機会をいただきました。

その様子はブログに掲載しています。

http://blog.goo.ne.jp/kita-slow_blog/

 

【本格焼酎と炭酸ガス】というと常識的には【?】ですが、
これからは「本格焼酎ハイボール」もアリかもしれません。

 

                (text = 喜多常夫)

 

 

 

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さて、参考情報の紹介です。

 

 

●▲■ ご紹介アイテムその1:ROOTSディビジョン ●▲■

メルマガ本文から我田引水的で恐縮ですが、

スパークリング・サケ&リキュール、7つの設備事例
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/machine/spark_sake_eq.pdf

 

主にタンク内ガス添加によるスパークリングのお酒の、
生産、充填設備の納入事例です。

ガス入りのお酒・リキュールをお考えの方は、
きた産業にご照会ください。

 

試作用にパイロットプラント
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/gas/PilotPlant.html

の1カ月単位のレンタル(有償貸出し)も行っています。

なお、パイロットプラントのマニュアルは以下。
http://www.kitasangyo.com/e-Academy/Gas/data/pilot_plant_manual.pdf

 

 

●▲■ ご紹介アイテムその2:K2ディビジョン ●▲■

ガラスびんのおススメをいくつかご紹介します。

 

焼酎などに:「ほんかく(本格)900」びん
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/Honkaku900_ed02_1.pdf

焼酎などに:「BR720、360」びん
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/BR.htm

清酒・焼酎などに:「一升壜口の1500、720、300」びん
http://www.kitasangyo.com/Archive/PDA/PDA_42.pdf

清酒・焼酎などに:「斗壜1800、720」びん
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/Tobin.htm

清酒・焼酎・リキュールなどに:「ドレス180」びん
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/dress1_ed02_1.pdf

 

 

●▲■ ご紹介アイテムその3:KKディビジョン ●▲■

 

展示増強「1930-1980年のお酒王冠・銅板ミュージアム」

http://www.kitasangyo.com/museo/museo.html

 

展示を大幅に増強しました。
「NEW!」マークを付けた各県をご覧ください。

下のほうにある「不明」は、
何県のなんという会社かわからなかった銘柄。
「温泉娘」「毎日正宗」「焼酎ポテジン」など、
もしご存知でしたらご一報ください。

 

また、「飲料」も新設。
現代では信じられないことですが、
半世紀前には全国主な都市に清涼飲料水を製造する会社がありました。
日本全国で優に数百社はあったと思います。

駅頭で会社員が飲むジュース、
駄菓子屋で子供たちが飲むサイダー、
銭湯で湯あがりに飲むミルクコーヒーは、
地元の清涼飲料水メーカーが支えていたのです。

今ではなくなった、直径42mmの大口径の王冠
(牛乳瓶サイズに使った通称「寸四(スンシ)」−1寸4分)
もずいぶん広く使われていました。

古い王冠銅板で、
日本の清涼飲料水産業の歴史の一断面をご覧ください。

 

 

 

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●▲■バックナンバー閲覧可能!「メルマガ・クロニクル」

http://www.kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html

2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
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