●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.135 ●▲■
     発行日:2010年 1月12日(火)
  ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■

発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

 

------------------< 目 次 >------------------

●▲■「サケwatching inフランスのローカル都市」 ●▲■
  ●■ 統計編:清酒\1,352 vs 焼酎\1,532
     焼酎4.7KL vs ウィスキー68.4KL
  ●■ 南フランス:モンペリエ編
  ●■ 北フランス:サンマロ編 
  ●■ (おまけ)サケ立ち飲みinフランス

               (text = 喜多常夫)

ご紹介アイテム●1▲省資源でエコ「防錆・軽量替栓」
ご紹介アイテム●2▲FIFAワールドの清酒、焼酎、梅酒など
ご紹介アイテム●3▲ワイン:不活性ガス環境下の搾汁プレス

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今回はフランスの、サケや日本食事情の報告です。

花の都、パリ事情はご存じの方も多いと思います。
しかし、ローカル都市はどうなっているのか。

昨年暮れ、フランスの南と北の地方都市に出張したので、
「ローカル都市のサケwatching」を書きます。

 

●■ 統計編:輸出単価は、清酒\1,352vs焼酎\1,532 ●■

まず先に、フランス向けの、
清酒、焼酎の輸出統計を見ておきましょう。
本稿を書いている時点では12月の数字はまだ出ておらず、
11月までが最新統計です。

そこで、1月から11月までの11か月間の清酒輸出を、
過去5年間抽出すると次のようになります。
「輸出量」「輸出額」「1.8リットル当たり輸出価格」の順。

2009年1-11月 82.0KL 61.6百万円 \1,352
2008年1-11月 85.6KL 59.5百万円 \1,250
2007年1-11月 100.9KL 73.2百万円 \1,305
2006年1-11月 120.2KL 66.3百万円 \993
2005年1-11月 108.3KL 54.7百万円 \910

 

2009年の一升当たり輸出単価、\1,352は過去最高。

2009年の数字にリーマンショックや円高の影響はあまり感じませんし、
2006年(数量ピーク年)よりむしろ好ましい状態ではないでしょうか。

なお、\1,352は日本からの輸出時点の単価で、
FOB価格(日本の港の船積み時点の価格)。
フランス国内の小売価格は、当然ながらこの2-3倍です。

一方、東京・大阪地区で売られる大手の2リットル紙パックは、
小売価格\900台(もちろん税込)がいまや一般的。
1.8リットル換算では、\800台。

嗚呼、雲泥ノ差ナリケリ、ですね。

輸出に安売り競争を持ち込むことは厳に控えてほしい、
というのが個人的な切実な思い。
さもなくば、サケの将来がない。

サケの最大の活路はグローバル市場だと思います。

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次に焼酎。

財務省貿易統計に焼酎の独自コードができたのが2008年なので、
2008年からの2年間を調べると次のとおり。
(甲乙の区分なし。ただし実質、ほとんど乙)

2009年1-11月 4.7KL 4.0百万円 \1,532
2008年1-11月 3.1KL 3.4百万円 \1,995

フランスに限らずヨーロッパでは焼酎はまだまだ少ない。
絶対量が僅かとはいいながら、大幅増。
現地でウォッチしていると焼酎は確実に露出度が増えています。

一升あたりの価格は、対前年比で安くなっていますが、
それでも焼酎の\1,532は、清酒の\1,352より高い。

[古い常識]では逆転現象と映りますが、
[今の常識]では日本でも焼酎のほうが高いシーンが多い。

販売量の多い紙パックのレギュラー品を見ると、
焼酎の1.8リットル紙パックは、
\1,400台〜\1,600台で価格を維持していますからね。

 

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さて、本論の「ローカル都市におけるサケwatching」。

以下のレポートは、
この写真資料を参照しながら読んでもらうとわかりやすい。
「サケwatching inフランスのローカル都市編」
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/Sake_Local_France_2009.pdf

 

●■ 南フランス:モンペリエ編 ●■

まず、南フランスのモンペリエ。

ニースやマルセイユほど有名ではないけれど、
モンペリエは南仏の大都市。大学都市なので日本人も多い。
ワイン関係者にはお馴染みのINRA(国立農業研究所)もある。

ここモンペリエで、
現時点で唯一の日本人経営の日本食レストラン、
「プチトーキョー」を訪ねました。
http://www.petit-tokyo.fr/

夜の定食メニューは20、25、34ユーロと手ごろ。
定番のスシのほか、プラ(料理)として、
焼き鳥、お好み焼き(仏語名:ピッツァ・ジャポネーズ!)、
ラーメン、天ぷらうどん、とバリエーション豊富。
炭火焼や、鍋もある。

サケは、
「大関」、「土佐鶴」、「八海山」で、お燗と冷。
焼酎は、
「いいちこ」、「白波」で壜売り。
ビールは、
「アサヒ」、「キリン」。

ローカル都市故、まずは日本食ありき、ですね。
まだ、サケ銘柄を多く取りそろえても、
そのバリエーションを楽しむフランス人は少ないのでしょう。

そんな条件を考えると、
上記のサケ3銘柄、焼酎2銘柄、ビール2銘柄は当を得た選択。

地方都市でも、
JFC(キッコーマン系日本食総合商社)が、
いまやあらゆる銘柄のサケ・焼酎を供給してくれます。

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なお、モンペリエにはほかにも日本食レストランはある。
当然ながら回転寿司もあって、
日本でよく見かけるのぼりを立てて、見た目より日本的、ですが、
日本人経営ではありません。

パリでは、「稀(まれ)!日本人でやってます」
と看板をだしている日本食レストランもありますが、
ローカル都市はパリ以上でしょう。

「プチトーキョー」のすぐ近所には、
「東京」という似た名前のベトナム&中華の店もありますが、
次回来た時には日本食に衣替えしているかも?しれませんね。

中華、ベトナム、韓国料理店が、
より集客力のある日本食に衣替えするのは日常茶飯事。
珍しくありません。

 

●■ 北フランス:サンマロ編 ●■

サンマロという小都市をご存じでしょうか。
世界遺産に登録される、海に突き出た城塞都市です。

近くのモンサンミッシェル(島全体が修道院)は、
有名ですが、サンマロを訪れる日本人は多くないよう。

しかし、ここにも日本人の女性料理人が腕を振るう、
割烹、あるいは小料理屋とでも呼びたくなる、
白眉というべき日本料理店があります。

お店の名前は「たんぽぽ」。
http://www.tanpopo-stmalo.fr/

顧客は地元のフランス人かヨーロッパのツーリストで、
日本人客は稀。

夜のコースを日本的表現で言うと、
「前菜/椀もの/炊合せ/季節盛り/焼物/小そば/御飯/デザート」
といった感じで、フレンチ食材を取り入れたヌーベル懐石。
異国の地で、感動的!な味わいです。

メニューにあるサケは、
「白瀧・上善水如」「菊水・無冠帝」「真澄」「男山」「宮の雪」など。

メニューにない銘柄、
「黒牛」(名手酒造店)、「ささら月」(月山)なども飲ませてもらった。

サケはJFCや、京子(パリの日本食供給業者)から調達するそう。

ちょっと驚いたのは、
アルコール・メニューのペティアン(ガス入り)のところに、
シャンパンと並んで、
「春鹿」スパークリング・サケがあったこと。

さらに、ディジェスティフのところには、
梅酒とならんで「サントリー山崎シングルモルト」。

ビールは「キリンイチバン」。
これはロシア・カリーニングラードで委託製造です。

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ここで、またちょっと統計を確認しておきましょう。
ウィスキーとビールのフランス向け輸出は次のごとし。

ウィスキー:
「輸出量」「輸出額」「700ml(1びん)輸出単価」の順。
2009年1-11月 68.4KL 161.8百万円 \1,655
2008年1-11月 97.6KL 223.6百万円 \1,603

輸出量68.4KLは、焼酎の4.7KL の10倍以上、
清酒の82.0KLと肩を並べる規模。
輸出金額161.8百万円は、清酒3年分くらいに相当。
サントリーさん、頑張ってますね。

あまり知られていませんが、
スコッチウィスキーの最大消費国は英国ならぬフランス。
アメリカよりたくさん輸入している。
フランス人はウィスキー好きなので、今後が楽しみでしょう。

 

ビール:
「輸出量」「輸出額」「330ml(小壜)輸出単価」の順。
2009年1-11月 381.5KL 27.2百万円 \23
2008年1-11月 120.4KL 5.4百万円 \15

う〜ん、輸出単価をみると、やはりビールは、
ヨーロッパでは委託醸造が正解かな、と思います。

しかし、ヨーロッパ域内でも地域によって、
またブランドによっては、
日本産を輸出している場合もあります。

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南フランスの「プチトーキョー」も、
北フランスの「タンポポ」も、
訪ねる価値ある日本食レストランでした。

ローカル・フランスでも、
日本食と日本のサケが確実に広まりつつあるのを感じました。

 

最後に、
日本文化の浸透を感じたエピソードをもう一つ。

北フランスの港町、オンフルールにある
「サカナ(魚)」というレストラン。

「日本で働いていたフランス人シェフが開業、ミシュラン1つ星」
というニュースを雑誌で見たのを記憶していて、
日本食を楽しみにお店の前まで行きましたが、、、

日本語は店名だけ、料理はなんとフランス料理。
日本食ではなかったけれど、
日本文化はいろいろな形で浸透しているなあと感じました。

 

●■(おまけ)サケ立ち飲みinフランス ●■

冬の海外出張には、スーツケースに、
「燗番娘」(底のボタンを押せばお燗ができる缶のお酒)
を忍ばせていくのを常としています。

フランスの冬景色を愛(め)でながら、屋外でお燗を楽しむ、
の図は、写真資料の最後でご覧下さい。
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/Sake_Local_France_2009.pdf
 

              (text = 喜多常夫)

 

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さて、きた産業の商品の紹介です。

●▲■ ご紹介アイテムその1:KKディビジョン ●▲■

 省資源でエコ「防錆・軽量替栓」
  http://www.kitasangyo.com/Products/Data/closure/bouseiKS_ed4.pdf

1.8リットル壜の替栓です。
「防錆仕様」は当社出荷の半分近くを占めるベストセラーになりましたが、
さらに重量を軽減した改善版「防錆・軽量替栓」を準備しています。

省資源でエコに貢献。
接液部の箔の耐久性も大幅向上。

最近、海外ばかりでなく、国内でも、
スクリューキャップ(PPキャップ)ではなく、
伝統的な「冠頭・替栓」の壜が好まれる傾向があります。

「冠頭・替栓」の1.5L、720ml、300ml壜も準備しています。
  http://www.kitasangyo.com/Archive/PDA/PDA_42.pdf

 

●▲■ ご紹介アイテムその2:K2 & KKディビジョン ●▲■

 パッケージデザインアーカイブ
  「はせがわ酒店FIFAワールドカップの清酒、焼酎、梅酒
               セレブ1500とサケZORK」
  http://www.kitasangyo.com/Archive/PDA/PDA_45.pdf

1.5リットルびん「セレブ1500」+「サケZORK」キャップを、
FIFA南アフリカ大会の公式商品としてご採用いただきました。

750mlと375mlの商品にもキャップをご採用いただいています。
  http://www.kitasangyo.com/Archive/PDA/PDA_44.pdf

 

 

●▲■ ご紹介アイテムその2:ROOTSディビジョン ●▲■

 DIEMMEの不活性ガス環境下の搾汁プレス
  http://www.kitasangyo.com/e-Academy/wine/DIEMME_Velvet_Neutral2.pdf

ワイン関係の皆様へ。

DIEMMEの不活性ガス環境下の搾汁プレスは、
「Neutral2」へと進化しています。

ボルドー大学のデュブルデュ−教授の、
シャトーレイノンも採用(資料15ページ参照)!です。

(ほとんど英語のままですいません。
  昨年暮れのASEV Japan広島大会で配布した資料です。)

 

 

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2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
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