●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.102 ●▲■
発行日:2007年 7月27日(金)
  ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

------------------< 目 次 >------------------

●▲■ひさしぶりに「非IT的なもの」に驚いた体験
                     人骨で作られた仏像(大阪)

   ホモ・サピエンス、ホモ・ルーデンス、ホモ・サケ・シリンス?

ご紹介情報●1▲
     「発酵食品機械・醸造用品総合カタログ2007」発行
ご紹介情報●2▲
     8月7−8日に「総合カタログ活用研修会@名古屋」
             清酒・焼酎関係の方、どうぞご参加ください!

                           (text = 喜多常夫)

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近頃の世の中、驚くことが多い。

たとえば、
   「ユーチューブ」で世界中からのビデオや実況中継を見たり、
   「Skype」で無料で世界中と通話できたり、
   「Google」で自分の家の空中写真を見たり、、、。
10年前のSFがいまや現実である。
(未体験だが、「セカンドライフ」もすごいらしい)

コンピューターの中だけではない。現実世界でも、
   「スイカ」と「イコカ」でJR、地下鉄、私鉄を自由に乗り回せ、
   「エディーカード」で、小銭なしで買い物ができて、
   本屋に行くより「アマゾン」で本を買う事がふえて、
   飛行機に乗るのもe-チェックインやe-チケットになって、、、
と、この1−2年の急変には驚かされる。

ただ、驚くことの裏にあるのは、たいていが「IT技術」。
なんだかなぁ、と感じていた。

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そんな中、ひさしぶりに「非IT的なもの」に驚かされた。

大阪の天王寺公園に隣接して、「一心寺」という寺がある。
地図で見ると当社所在地から直線距離4km足らず、
近くなのに、今まで名前を聞いたこともなかった。

この寺には、人間の骨で作った仏像があるのである。
十数万人分の骨(!)で1体の仏像をつくりあげるのだそうだ。

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先日、初めて参拝してみたのだが、
お参りする人、納骨する人で境内はすごい人出だった。

一心寺には、年間1.5万〜2万体が納骨される。
これを10年間ためて、すなわち15〜20万人分で、1体の「お骨仏」を作る。
それを明治時代からつづけている、とのことである。

解説によれば、次のとおり。
   「一心寺は浄土宗の寺で、文治元年(1185年)開基。
   普通の寺では年1回の施餓鬼法要を、
   年中できる特権を、江戸末期に幕府から得た。
   その結果、宗派を問わずいつでも供養を受け付けるようになり、
   庶民に親しまれ、納骨も増えた。
   1887年(明治20年)に初めて約5万体分の骨で「お骨仏」を造立。
   以来、ほぼ10年ごとに納められた遺骨で仏像を作り、
   2007年までの120年で13体の「お骨仏」を造立した。
   戦前の6体は戦災で焼失したので、現在は7体がある。」

ちょうど今年は節目の年で、
去年までの10年間の納骨で作られた7体目(通算13体目)が、
この春に安置されたところだ。

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「お骨仏」のある納骨堂(仏殿といわない)前は、
お祈りする老若男女でごったがえし、
引きもきらず灯され続ける線香の煙でむせ返っていた。

1体あたり十数万人の遺骨だから、遺族は百万人以上だろう。
いままでの6体の遺族も来るわけだから、
ごった返すのもうなずける。

遺骨を携え納骨手続きに並ぶ人々も、長蛇の列となっている。
年間1.5万〜2万体の納骨ということは、
1日40〜55体の計算だから、長蛇になるのもうなずける。

一心寺は年中このような状態で、境内には人が絶えないらしい。

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十数万人分の骨で作った仏像は、さぞ大きかろうと思っていたが、
案に相違し、実際は等身大より少し大きい程度。
それまでに作られた6体は線香や蝋燭の煤のせいか黒ずんでいるのに対し、
新しい7体目は、白い肌。まさに骨である。

十数万人の中には、
男も女も、子供も老人も、老衰も病気も事故も、あるだろう。
苦しみ、悲しみ、喜び、充実、、、魂もさまざまだだろう。
様々な現世を断ち切り、一体とされた「お骨仏」に驚くとともに、
百年以上もの間、変わらず人々をひきつける、
「お骨仏」という仕組み、あるいは「死生観」とはなんなのか、
(それはまさに「非IT的なもの」であるわけだけれど)
そんなことを考えさせられた。

ITで社会生活は激変し、科学技術で人間の寿命は延びたが、
人は死ぬことに変わりない。

人間は、死者への思いを「形」にする生き物である。

リンネの名付けた
<ホモ・サピエンス:知恵のある人>
は人類の呼び名にふさわしい。
ホイジンガの
<ホモ・ルーデンス:遊ぶ人>
も核心をついている。

けれど、私はこの一文を書いていて、人類は、
<(ラテン語は知らぬが):葬送・慰霊する人>
と言うべき生物である、
それこそ他の生き物と決定的に違う人間の特徴だ、と思った。

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今回は酒と無関係な話題で恐縮だったが、
最後にすこし、酒に絡めた話。

一心寺では、自分がお骨仏になるのはちょっと困るな、と思った。

酒が好きだった父の墓参りでは、時々お酒を墓にかけるのだが、
私自身も生来の酒好きゆえ、
死んだあとも自分の墓に酒などかけて欲しいではないか。
が、お骨仏だとそれがしてもらえない。

死んでまで酒、とはさもしいと思われるかもしれないが、
酒とは人をひきつけてやまないものであると思う。

もちろん酒を飲まぬ人もいるのだけれど、人類は、
<酒というものを知ってしまった人>
ともいえる生き物と思う。

<ホモ・サケ・シリンス>
とでも言っておこう。ラテン語ではないが。

 

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さて、情報です。

 

ご紹介情報●1▲
      「発酵食品機械・醸造用品総合カタログ2007」発行

このたび、醸造機器組合、東西の醸造用品組合の3組合共同で
「発酵食品機械・醸造用品総合カタログ2007」を作成しました。
(不肖、私も編集委員に名を連ねています。)

10年ぶりのカタログ発行で、
3組合に加盟する約70社が製造・販売する醸造機器、醸造用品を、
270ページフルカラーで紹介。CD-ROMも付属。

7月中旬に、ほぼ全国の清酒・焼酎・泡盛・ビール・ワインのメーカー、
ならびに発酵に関した研究所など、4千社程度に郵送されているので、
多くのメルマガ読者にも届いているのではないかと思います。
ぜひご活用ください。

なお、1冊1,500円(送料込み)で頒布しています。
問い合わせは全国醸造機器工業組合事務局(zjkk@zjkk.or.jp)まで。

 

ご紹介情報●2▲
      8月7−8日に「総合カタログ活用研修会@名古屋」

上記カタログ掲載企業のうち、20社程度が、
1社30分ほどで自社製品の説明をする研修会があります。
(主に、清酒・焼酎の設備・用品に関したものになると思います。)

醸造用品・醸造機器を販売している会社の参加が主ですが、
酒造メーカーなどの皆さんにも参加していただけます。
(当日参加も可能ですが、できれば事前にお知らせください。
当社にご連絡いただけると、事務局に引きつぎます。)

●2007年8月7日(火)10:00開会〜17:00頃、8月8日(水)9:00〜
●場所:名古屋市の「愛知県産業貿易会館」 西館10階大会議場

受講無料ですが、
7日夕刻には懇親会があり、この参加費は7,000円です。

なお、当社は
「アルミ缶・カップびん設備、ガス入り清酒設備など、及び、
きた産業のキャップ、びんなどの主なラインナップ」
をプレゼン予定。

お時間の許す方は、どうぞお越しください。

話題の「ミッドランドスクエア」など、
「日本を引っ張る名古屋」の変貌ぶりを見るいいチャンスです!

                          (text = 喜多常夫)

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http://www.kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html

2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
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